CONTAX Aria


2004年10月、さるネット上の知り合いにNewFM2と交換してもらったカメラです。私にとって初めてのカール・ツァイス、と書いてしまうところがミーハーなんですよね、本当に。ただ、コンタックスというカメラは昔からボディよりもレンズの方に注目が行く傾向があったことも事実です。

このアリアは1998年に発売された、おもに初心者(カタログを見るとその中でも女性かな、と思います)をターゲットにしたカメラです。定価が8万9000円とそこそこしますから、全くの初心者用ということでもなくて、ちゃんと作ってある、という印象があります。

そう思う点は、巻き上げ音とファインダー内の情報。

巻き上げ音は屋外で撮っている限りは、撮っている私も気付かないくらいです。それでいてブラケット撮影に対応してか3コマ/秒の性能があるので、言うことなしです。ファインダー内表示に関しては、マニュアル露出で使う私にはこの上なく便利。バー・グラフによる露出計がファインダーに表示され、設定している値が露出計が示す適正からどれくらいずれているかがひと目で分かります。また、レンズには半段のクリックがないにも関わらず、ファインダー内では表示されるという芸の細かさ。あと、この価格帯のカメラとしては視野率がすごく高いのも魅力です。ポジで撮ってマウントにするのであんまり関係ないんですけど、きっちり作ってあるという感じがします。

マニュアル・フォーカスで自動巻上げってどうなんだろう、という好奇心もあって交換してもらったカメラですが、一度使っただけですごく気に入りました。ピント合わせと露出に集中して、あとはシャッターを押すだけ。

マニュアル露出、手動巻上げが前近代とするならば、それをAEAFというモダニズムがほとんど飲み込んでしまいました。しかし、その後、ボタンとコマンド・ダイヤルだけの実感のない操作や、道具性の低さといったモダニズム(=AEAF一眼レフ)の悪しき部分に異を唱えるべく生まれたポスト・モダニズムという潮流こそが、このコンタックスのカメラじゃないか、という気がします。すなわち、いいとこどり。


Yashica/CONTAX mount Lens