OLYMPUS PEN F


1月2日。毎年この日に、母の実家に兄弟とその家族が集まります。2004年のその日、カメラの話をしていたら、伯父が大伯母の遺品であるこのカメラを見せてくれました。

大伯母は、母の実家の隣に住んでいて、私も行くたびにお邪魔して猫と遊んだり、話をしたりしたことがあります。全然知らなかったんですが、昔は写真を撮るのが好きだったそうです。

同じものが2台あり、1台は自動絞り不調、もう1台はミラーが跳ね上がったまま。最初は2台とも修理してもらって使うつもりでしたが、見積りの結果1台はプリズムが腐食していて修理にお金がかかるので、程度のいい方だけを修理してもらいました。2万円かかりましたが、整備済みのペンFを買ったと思えば安い。

38mmF1.8の標準レンズ付きでしたが、ちょっとクリアじゃない上に、落としたのかフィルターネジのところがへこんでいて使いにくいので、買い直しました。結果は上々です。

2回巻き上げ、スクリーンはマット面のみ、露出計なし、ミラーショック大、と慣れないうちは使いにくいカメラですが、人間がカメラに合わせればいいだけの話です。ちょっとファインダーが暗いですが、1963年発売のカメラで、長い間使われていなかったようですから、致し方ないでしょうね。

そういった使いにくさがあるのにもかかわらず、このカメラを持ち出すことが多いのは、その絶妙なサイズゆえだと思います。レンズともども軽量で、かつボディはでっぱりが少ないので、小さなバッグに収まりますし、首から提げても苦にならない。これで使いやすい焦点距離のレンズがあればいいんですけどね。38mmは135換算で55mmくらいなので、広角レンズが好きな私の場合、考えて撮らないと中途半端な画面になってしまうことが多いんです。しかし広角レンズはすごく高いので、これ1本でやっていくつもりです。

デザイン的な特徴はフラットなトップカヴァーとボディ全面にあるシャッターダイアル、そして四角いシャッターボタン。あと、レンズが向って右に寄っているのもちょっと変わっています。とはいえ、実に使いやすく、固有の魅力を備えたカメラです。そしてデザインもいい。大切に使っていくつもりです。


PEN F mount Lenses