夕陽ヶ丘
−天王寺の北、数多くの坂と寺社のある町
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JR天王寺駅の北側、谷町筋の両側に広がるこのあたりは「寺町」と呼ばれ、多くの寺社と坂、そして湧水で有名なところです。


坂の中では口縄坂が有名で、織田作之助の小説、『木の都』にも登場し、坂の上にはそれを記念した碑もあります。ちみなに「口縄」というのは「蛇」という意味で、「坂の下から眺めると、道の起伏がくちなわに似ていることから、この名が付けられたという」と説明されています。今では舗装され手摺までついていて、そんな起伏は感じられませんが、下から見ると日中でも坂のほとんどが日陰で、坂の上にだけ青空が見える(LINK)という、まあまあの雰囲気の坂ではあります。

だいたい、有名な坂は舗装されて、趣のない普通の坂になっています。源聖寺坂(LINK)なんて、もともとは土塀であったはずの源聖寺の塀にトタンが貼ってあり、しかも坂の上には住宅が並び、写真を撮った日には道端で人が寝ている、という、何とも日常的な光景の中にありました。こういうのも嫌いではないですが、ちょっとね。


湧水というのは、生駒山系の伏流水が夕陽丘の位置する上町台地で地表に現れるからだそうで、清水寺の境内で崖から流れ出る水が見られる他、七箇所に名前の付いた湧水があり、そのうちのふたつが安居神社の境内に位置します。そのうちのひとつは「かんしずめの水」と呼ばれ、菅原道真が左遷される際にこの水で癇を癒したことが由来しているそうです。また、大坂夏の陣において真田幸村が戦死した場所でもあり、その碑(LINK)があります。

Photo 1
堀越神社
Photo 2
堀越神社の梅
Photo 3
安居神社
Photo 4
安居神社の猫
Date: 2002/04/29
2004/02/25
Cameras: Nikon New FM2
Canon FTb-N
Lenses: Ai Nikkor 50mm F1.2S
FD 50mm F1.8 S.C.