キヤノンEOSシリーズが採用するEFマウントは、比較的フランジバックが短く口径も大きいため、マウントアダプタのベースとするにはちょうどいいマウントです。

フランジバックだけで見るとFDマウントの方が短いわけですが、スピゴット・マウントですし、ファインダーは暗く、絞込み測光も面倒です。その点EOSは、レンズ情報がない状態でAEが効くものも多く、ファインダーも明るいので、実絞りでも使いやすいというメリットがあります。それにM42マウント用のアダプタは大変安価で、専用のカメラを買うより手軽です。


EF-Nikon F Adaptor

さるネット上の知り合いとNew FM2とAriaを交換したことで、ニコンのボディがEMだけになり、結果、Ai Nikkor 50mm F1.2Sは大きく重いのでEMではあまりに使いにくい、という問題が生じてしまいました。売ってもいいけど、好きなレンズだしなあ、と思っているときにEOS50Eを手に入れ、その使い勝手のよさに感心し、AF一眼レフとしてはファインダー上でピントが比較的見やすいことに気付きました。よし、それならEOSでFマウントのレンズを使えるようにしよう、と入手したのがこのアダプタです。

普通に中古カメラ屋さんなどで売られているものは1万5000円くらいしますが、それはちょっと高すぎるのでヤフオクで6500円のものを落札しました。

実際に取り付けるとFマウントのレンズが若干ガタつきます。厳密にいうとピントに影響するのかも知れませんが、50mmレンズを1mくらいかつF2で撮ったポジフィルムを仔細にチェックしてもピントに問題は感じられませんでした。それから Ai Nikkor 50mm F1.2S はレンズ後端に保護用のパーツが突出しているため、取り付けられないほどではありませんがカメラ内部に当たります。

そうした問題はありますが、実用上の問題はなく撮影できるので安い買い物でしょう。F1.2のレンズは開放だと明るすぎてピント合わせがしにくいくらいになりますし、F8くらいならば苦痛なく使えます。


EF-M42 Adaptor

上記のアダプタの使い勝手のよさに気をよくして、M42マウント用のアダプタも入手しました。こちらも同様にヤフオクで、2980円でした。

マウントはM42でもブラックとシルヴァーがあり、また自動絞り作動用のピンを押す構造になっているものとそうでないものがありますが、私が入手したのはブラックでピンを押さないタイプです。色については趣味の問題ですが、ピンについては所有のレンズとこれから欲しいレンズについて考えないといけません。

この自動絞り作動用のピンというのは、文字通り自動絞り対応のレンズに付いているものですが、その中に自動絞りとプリセット絞りを選択するレバーのないものが存在します。

そのタイプのレンズはマウントアダプタを介する、すなわち対応する自動絞り作動機構がないカメラに装着した場合には、絞りは常時開放で固定されていまう、という問題が生じます。開放絞りでしか使えないレンズはあまり嬉しいものではありませんから、そういうレンズを使いたい場合はピンを押すタイプのものを入手されることをお勧めします。ただ、それもEBCフジノンのようなにレンズ後端に突起がある場合はねじ込めないなどの問題もあり、一長一短です。

実際に使ってみたところ、フランジバックに狂いはないようでピントはぱっちりでした。EOS50Eはファインダーが明るいのでF8くらいまで絞り込んでも不快感はほとんどなく、タクマーレンズの使用頻度が高まりそうです。ただ、SMCタクマー28mm F3.5を取り付けた際にミラーアップするというトラブルが頻発しました。突出しているレンズ後部がミラーに触れているのではないか、と思われます。まあ、イレギュラーな使い方ですから、これくらいは致し方ないところでしょう。


Canon EOS650

Canon EOS50E

Nikon F mount Lenses

M42 mount Lenses