派生する趣味

カメラだPCだと、いろいろとサイト上で駄文を書き連ねている私ですが、一番長い趣味は「文章を書く」ことだという事実に少し前に気付きました。というか、生活の一部のようになっていて、趣味だということに思い至らなかったのです。それによくよく考えてみたら、今の趣味の多くは文章を書くことから派生したものでもあるのです。


PCを買った最大の目的は、「何か面白そう」という漠然とした好奇心を除けば、文章を書こうと思っていたからです。ワープロを持っていたのですが、あまり使い勝手がよくなったですし。

最初のうちは機嫌よくPCで文章を書いていたのですが、慣れてくるとPCで文章書くだけ、というのも、あまり楽しいものではありません。そんなのはワープロでもできることですから、わざわざ1分半も起動に時間をかける必要なんてないじゃないか、と思いました。


それで画像に手を出そうと決心して、スキャナを買ったわけです。実はデジカメも欲しかったのですが、その当時のデジカメは画質がひどい上に高価だったのでパスして、スキャナにしたのです。SCSIボード付き2万円くらいのヤツでしたが、今から考えると本当に安物で、どうスキャンしても緑カブリが生じるという代物でした。しかし、その当時は他のものを知りませんから、「こんなもんだろう」と、手持ちのCDのジャケットをスキャンしてJazz Disc Libraryというのを作ったりしていました。

しかしお金がなかったので、それ以上は発展することもなくスキャンしてはレタッチして遊んで、というのを延々としていたのですが、大学に合格した2000年前半に高性能なPCを入手し、高性能なスキャナとデジカメも相次いで入手しました(お年玉を使わずに置いたものが使えるようになったので)。このあたりから本格的に画像を扱うようになりました。


その前から、画像とテキストとを見やすくレイアウトする形式としてのHTMLに興味は持っていたので、ネットに繋ぐようになったし、画像と写真と文章があるし、というわけでサイトを開設しました。サイトを作りたいからコンテンツを作ったのではなくて、誰かに見せたいと思っていた文章と写真があるからサイトを作ったわけで、私はサイトを、今までPCを使ってきた成果を公開する手段、として位置付けています。

それまではオフラインでごく私的に、文章を書いたり、画像で遊んだり、デジカメで写真を撮ったりしていたものを、可能性としては世界中の誰もが見られる形式で公開する、というのは、私の中ではちょっとした事件ではあったわけです。やはり、何かを作るときに、人に見られるか否かはすごく大きいのです。

それで今となっては、サイト作成も趣味になりました。やはりサイトを作るからにはできるだけ見やすく綺麗なものにしたい、と考えて、いろいろと勉強をしていたら趣味になってしまった、という感じです。少し前まではHTMLを手打ちするなんて思いもしませんでした。


話は前後しますが、デジカメを買ってからは文章とは別に写真という趣味が増えることになります。それでフィルム・カメラに移行したりするのですが、これももとをたどれば画像処理に行き着き、それをたどると文章に行き着くことになります。ちょっと強引ですけど。

しかし、この写真という趣味は、私にとっての画像処理が、文章の説明となる画像を作るためのものでしかないのとは違って、文章から独立したものになっています。それを明示する意味も含めて、サイトもテキストと写真とを分離することになりましたしね。

しかも、写真からは町を歩く、すなわち「散歩」という趣味が派生しつつあります。「散歩写真の楽しみ」という文章も書きましたが、あれは「歩く」という視点からみた「散歩写真」ですが、それを趣味という視点から眺めると、歩くのがちょっと好きだったのが、写真と交わって「散歩写真」という趣味になった、という説明も可能です。


こうして考えると、ひとつの趣味からいろいろな趣味が生まれて楽しいなぁ、と思います。というか、感じとしては興味深いものごとに節操なく飛びついているだけ、という気がしないでもないですが。それで、全てのことが中途半端に終わっているのかも知れません。第一の趣味である文書すら、こんなに稚拙ですから。困ったことです。

ただ、楽しいことには変わりないので、まぁいいかな、と思ったりします。この向上心のなさが、趣味でありながらプロ並みになる人と、一生「下手の横好き」でいる人との違いかも知れません。とはいえ、次は何に飛びつくことになるのか楽しみです。

2001年10月31日
加筆:2003年12月25日